今やご新郎さまのスピーチは、アットホームなウェディングには欠かせないものとなっています。とは言え、人前で話すのは苦手なんだよなぁ、できればスピーチはしたくないんだけど……という方もきっといらっしゃるでしょう。
まず前提として私がお伝えしたいのは、これらのスピーチは必須ではないということ。どうしても嫌という方は、なさらなくても結構なのです。
しかし、それでもおすすめしたいご新郎さまスピーチ。おすすめするのには理由があります。
スピーチをしようかどうしようか迷っているご新郎さま、するつもりだけれど不安ばかりが募っているご新郎さまへ……
現役司会者が、悩めるご新郎さまにそっとエールを送ります。
アットホームウェディングに欠かせないご新郎さまスピーチ
「アットホームに」「感謝の気持ちを伝えたい」「おもてなしの気持ちを大切にしたい」そんなテーマを掲げる新郎新婦さまが近年増えています。そんなアットホームを掲げる披露宴に欠かせないものとなっているのがご新郎さまのスピーチです。
ご新郎さまの二大スピーチ、「ウェルカムスピーチ」と「謝辞」について、その特徴や効果について確認していきましょう。
ご新郎さまのスピーチ1 ウェルカムスピーチ
まずは、ウェルカムスピーチについてお伝えしますね。
ウェルカムスピーチとは
おふたりのご入場直後に、ご新郎さまからゲストへ向けて行うご挨拶のことです。披露宴が開宴したあとの、一番初めの演出ともいえます。ご入場の盛り上がり直後の静寂に包まれるシーンでのご挨拶。ご新郎さまにとっては、とてもとても緊張する一瞬ですよね。
ウェルカムスピーチの効果って?
結婚披露宴はフォーマルな場。特に乾杯までの時間は、おふたりだけでなく、ゲストの皆さまも緊張しているお時間です。アットホームに……とは言っても、堅苦しくなりがちです。
そんな披露宴の冒頭で、ご新郎さまが自らマイクを持ってご挨拶をする。この効果は絶大なのです。
実はこのシーンに至るまで、マイクを通して聞こえてくる声というのは司会者の声のみ。ゲストからすれば、「知らない人の声」。その流れの中で、主役のおひとりであるご新郎さまの声が聞けるというのはゲストの皆さまにとって、嬉しい瞬間です。
また、声を出す、話す、ということは、お人柄が表れる行為でもあります。ご新郎さまのお人柄を垣間見せることで、場の雰囲気がぐっとアットホームに変化します。これは、プロの司会者でも絶対に敵わないところ。司会者の100の言葉より、ご新郎さまのひとこと。これが、ウェルカムスピーチの効果です。
ウェルカムスピーチの内容…何を伝えれば?
ご新郎さまから 「どんなことを話せばいいんでしょうか」とご相談いただくことが多いのですが、私がいつもお伝えしているのは、2つの項目。それは、「御礼」と「要望」です。
- 御礼・・・本日ご列席いただいたことへの御礼の言葉
- 要望・・・皆さまに、このあとの披露宴をどのようにお過ごしいただきたいか
この2点が抑えられていれば十分です。
所要時間も、「20〜30秒くらいで大丈夫ですよ。」とアドバイスしています。
もう少し話せそう、さらに伝えたいことがある、という方は、上記の1と2の間にプラスαを追加してみてくださいね。
ご新郎さまのスピーチ2 謝辞
続いては謝辞について、ご説明します。
謝辞とは
ご披露宴のお開きの直前の締めのご挨拶です。最近では、ご新郎さまのお父さまなど、ご両家の代表の方のご挨拶のあとに行われることがほとんどです。いわば、ご披露宴の「大トリ」ですね。その文字が表すとおり、ご列席いただいた皆さまへの感謝のお気持ちを伝えます。
謝辞の効果って?
披露宴の大切な締めくくり。ここで主役であるおふたりの代表としてご新郎さまからお話しされることで、おふたりの想いをからしっかりと印象づけることができます。
ウェルカムスピーチでもゲストへの感謝のお気持ちを伝えていますので、ご披露宴の始まりと結びを「感謝の言葉」でサンドイッチするイメージです。おふたりがどのような想いでいるのか、ゲストに改めてお伝えしましょう。
謝辞の内容…何を伝えれば?
こちらも、ウェルカムスピーチと同じくご相談されることが多いのですが、私がお伝えしているのは次の2つの項目。
それは、「御礼」と「抱負」です。
- 御礼・・・ご列席いただいたこと、また、これまでお世話になったことへの御礼の言葉
- 抱負・・・これからおふたりでどのような家庭を築きたいのか、どんな夫婦になりたいのか、未来への展望や決意
この2つの項目をベースに、1と2の間にエピソードを追加すればよいでしょう。
もちろん、この2つの項目のみでも何ら問題はありません。非常に簡潔でさわやかな謝辞になるでしょう。
ご新郎さまのスピーチ、好感度アップの秘訣とは?
スピーチをする際に、誰もが「何を話すか」について頭を悩ませますよね。
もちろん、内容を熟考すること、原稿を作りこむことは大切なプロセスです。
しかし、原稿を作り上げて満足するのではなく、その先まで意識を向けておきましょう。「何を話すか」プラス「どう話すか」。スピーチの印象を決定づける、好感度アップのポイントを考えてみましょう。
かっこよく決める!には「所作」がポイントに
「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。
メラビアンは、人が相手に与える印象についての研究を行ったアメリカの心理学者です。
彼の研究によれば、人が人の印象を決定づける優先順位は、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%とのこと。人は、見た目の情報に引きずられてしまう、ということなのです。
これを踏まえると、スピーチの内容(言語情報)よりも、表情や所作(視覚情報)の方が印象に残りやすい、とも言えるでしょう。
どんなに素晴らしい原稿が完成していても、それを伝える所作が伴っていないと、伝えたいメッセージがうまく伝わらないという状況になりかねないのです。
姿勢よく、前をみすえて
まずは、なんといっても姿勢ですね。背筋をまっすぐ伸ばし、視線はできるだけ遠くに。姿勢を正すと、気持ちも落ち着き、声もしっかりと出るようになります。
暗記がベスト?原稿は読んではいけない?
これも、よくいただくご質問です。もちろん、全てを暗記して完璧にスピーチができるにこしたことはありません。しかし、当日は緊張の中にありますし、アルコールに酔っている可能性も高い。想像以上に感動してしまって胸がいっぱいに…ということもあるかもしれません。突然頭が真っ白に…!もあり得る状況です。
そこでいつも私がお伝えするのが、「お守りとして、原稿をお持ちいただくといいですよ。」ということ。万が一、頭が真っ白になってしまったら、堂々と原稿をお読みください、とお伝えしています。
原稿を読んでもOKなのです!
そう、原稿を読んでもまったく問題ありません。ウェルカムスピーチも謝辞も、始めから原稿をお読みになるご新郎さまもたくさんいらっしゃいます。スピーチが苦手というご新郎さまは、無理せず原稿をお読みになると良いと思います。そう決めてしまえば、当日へ向けてのハードルも少し低くなりませんか?
そして、ご用意いただく原稿は、きちんとした紙でご用意してくださいね。小さなメモのような紙をチラチラと見ながら…というよりは、しっかりとした大きな原稿を堂々と広げてお読みになる方が、見た目の印象は段違いに好印象です。
スピーチのサンドイッチで、印象アップの披露宴に!
ご披露宴の始まりと結びのタイミングでのご新郎さまのスピーチ。つまり、ご新郎さまのスピーチでご披露宴をサンドイッチにするイメージです。ここをしっかりと決めることで、ご披露宴全体の印象もぐっと締まります。ご新郎さまスピーチのサンドイッチで、おふたりがこのご披露宴のホスト役であるということを印象づけて、ゲストの皆さまへの感謝のお気持ちをしっかりとお伝えましょう。
ご披露宴でのスピーチを成功させれば、ご新郎さまの好感度もアップすること間違いなしです。
悩めるご新郎さま方!
ぜひ、ご自身らしい素敵なスピーチをなさってくださいね。
司会台から応援しています☆
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