一生に一度の特別な日だからこそ、運命の1着を見つけたい!
「結婚式の準備は、まずは衣装選びから」という花嫁さまも少なくありません。
ですがいざドレスショップに足を運んでみると、ショップスタッフから勧められるがままにドレスや和装を選び、当日は着せ替え人形のごとくせわしない1日となってしまうケースもないとは言えないのです。
今、お色直しをしない結婚式を希望する花嫁さまが増えてきています。
実はこの「お色直しをしない」という選択が、あなたの結婚式を劇的に変えるキーになります。
量より質にこだわりたい、大人のプレ花嫁さまへ。
数多くの結婚式をプロデュースしてきたフリーランスのウェディングプランナーが、お色直しをしない結婚式の魅力をお伝えします。
目次
そもそもお色直しって?その歴史と「絶対」必要ではない理由
「ごく普通の結婚式」と聞いて、どんな花嫁の姿を想像しますか?
白無垢を着て、色打掛を着て、それからウェディングドレスを着て、カクテルドレスにチェンジして……。
なんとなく、こんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
ドレスや和装を何点も着るとなると、当然お召し替えが必要になります。
このことをブライダル用語で「お色直し」と呼んでいます。
結婚式のお色直しに込められた意味とは
ではこのお色直し、どのような意味があるのでしょうか?
お色直しの意味については諸説ありますが、一般的にブライダル業界では、
- 白無垢/ウェディングドレス……何にも染まっていない無垢の姿
- 色打掛/カクテルドレス……結婚式を執り行ったことで婚家の色に染まった
という意味があります。
戦後、日本の法律は「家制度」を廃止しています。
この、結婚を婚家の色に染まることという見方には若干の違和感を感じる方も多いのではないでしょうか。
花嫁さまのお母さま世代の結婚式では、結婚式で白無垢を着たという人は意外に少なく、色打掛で神前式をするケースが多くありました。
また、披露宴ではウェディングドレスや振袖など、思い思いのお衣装を楽しみ、現在「普通」とされているお色直しの流れは特になかったのです。
あなたがお色直しの必要性を感じないまま「ウェディングのプロの言うことだから」という理由で、必ずしもお色直しをする必要はないのかもしれませんね。
もしも「お色直しはしたくない」という希望があるのなら、その希望は必ず担当スタッフに伝えること。
お色直しをするのはなぜ?
なぜ多くの花嫁さまはお色直しをするのでしょうか?
それには、こんな理由や事情があるようです。
いっぱい衣装が着たいからお色直しする!
まずは花嫁さま自身が、たくさんのお衣装を着て、その姿をみんなに見てもらいたいという希望があるケースです。
この場合は本人の希望なので、お色直しを複数回入れることで、花嫁さま自身の満足度が高くなります。
ゲストにとってのメリットは、さまざまなお衣装を着た花嫁さまの姿を写真に収められること。
結婚式や披露宴も、ショーのような華やかさがあるものになるでしょう。
お金をかけたと思われたいから
これは本人、もしくは親御様が来てくれるゲストに対して「お金をかけた」ことをアピールしたいという意識が働くケースです。
「そんな見栄っ張りな……」と思うかもしれませんが、意外に事情は切実です。
たとえば、先に同世代のいとこがたくさんのお衣装を着て豪華な結婚式をやったから負けたくない。
親として援助もしてやらなかったのかと親戚から思われたくない。など、さまざまな思惑が交錯した結果、お衣装数が増えることもあります。
会場やドレスショップも、やっぱりビジネス
当たり前のことです。
ブライダル業界はお客様の夢を叶える仕事ではありますが、ボランティアでやっているわけではありません。
「2点借りるならもう1点サービスする」など、セールストークはどこもお上手!(笑)
納得して借りるのなら問題はありませんが、勧められるがまま、それほど気に入らないお衣装を着る必要はないでしょう。
なぜなら、いくらお衣装をお得に借りられても、写真や美容にかかる料金は比例して高くなっていくのですから。
お色直しに対するイメージが変わってきている!?
こんな事情もあり、お色直しをすることが当たり前だったついこの間までの日本の結婚式。
ところが近年は、お色直しに対するイメージが変わってきているようです。
お色直しにお金を使うよりも、ゲストへのおもてなし
お衣装の数が増えれば増えるほど、予算はひっ迫していきます。
限られた予算の中で、お衣装の占める割合が大きくなってくると、ゲストのために使えるお金が減っていってしまうという現実に直面するでしょう。
そのドレスを、和装を、1点減らせばお料理のグレードを1つ上げられる。
そんな選択肢に迫られたときに、ゲストへのおもてなしを取る方が増えてきています。
和と洋をごちゃ混ぜにしたくない
白無垢で挙式をして、色打掛で入場して、それからドレスにチェンジして……。
確かに見ごたえはあるかもしれませんが、結婚式のテーマがごちゃごちゃになってしまうのは否めません。
私が担当したお客様も、和装と洋装、どちらも着る場合は、コーディネートをどうしようか、演出をどうしようかと迷う方が多かったように思います。
特に洋風一辺倒のゲストハウスで和装を着る場合は、かな~~り知恵を絞りました。
披露宴はゆっくり楽しみたい
お色直しをするとなると、1回につき30分程度の時間を要します。
披露宴の中で2回お色直しをするとなると、新郎新婦として会場内にいられる時間は1時間弱。
その間にスピーチや演出などが入ることを考えると、ゆっくり楽しむことは難しいでしょう。
「それが結婚式というもので、花嫁は忙しくて当然」という時代もありましたが、昨今ではよりゲストとゆっくり楽しみたいというカップルが増えてきています。
その時間を十分にとるために、お色直しをしないという選択はとても有効。
それも一つの方法ではありますが、披露宴の時間が2時間30分を超えるとゲストの満足度は低くなり、クレームも多くなるというデータもあります。
会場によっては追加料金が発生する場合もあるので、披露宴の時間を長くすることはあまりおすすめできません。
お色直しをしない私をゲストはどう見る?
ここまで読んでもなお、お色直しをしないのは勇気がいる……と悩んでいるあなた。
そんな時はもう少し視野を広く持ってお色直しについて考えてみましょう。
お色直しをしないのは、海外のスタンダード
海外の結婚式を調べてみると、ドレス1点でその日1日を楽しんでいる様子がうかがえます。
お衣装は数よりも「オーダーで作ってもらう」「母親のウェディングドレスをリメイクする」など、思い入れのあるものとしてこだわる方が多いようです。
そのため、レンタルで何点ものお衣装を着るということも少なくなっています。
むしろ好感度がUPする可能性も!?
お色直しをしないと、ゲストにケチったと思われるのでは?
おいしいお料理と充実した飲み物、そしておふたりと会話を楽しめる時間があれば、そんな心配は必要ありません。
「自分たちよりも私たちにお金を使ってくれた」という思いから、おふたりへの好感度もアップするかもしれませんね♡
お色直しをしない披露宴を何度も担当しましたが、ゲストからの評判は軒並み上々でした。
お色直しをしない披露宴はどうなる?
お色直しをしないと決めたものの、うまく当日の想像ができない。
これはとても不安ですよね。
お色直しなしの披露宴がどうなるか、私の過去の経験から実例をご紹介します。
シンプルで垢ぬけた雰囲気に
これは自信をもって言い切れます。
垢ぬけ度合いは、お色直しなしの方が上です。
なぜなのか理由を考えてみました。
おそらくそれは「おふたりがずっと会場にいる」からだと思われます。
新郎新婦がいない会場は、宴会をするしかありません。
とりあえず盛り上げよう!というゲストの意気込みが、披露宴の品格を損なってしまうことにもなりかねないのです。
おふたりが会場にいるだけで場は締まります。
特別な演出がなくても、ゲストは十分に楽しめます。
コーディネートもとことんこだわれる
お色直しをしなければ、そのお衣装に合うコーディネートをとことん追求することができます。
「ここは和風にする?」「こっちは洋風にする?」なんて悩む必要もありません。
ディズニーが大好きなお客様が、シンデレラをテーマに結婚式をしたことがあります。
らせん階段のウェディングケーキ、水色にオーガンジーのテーブルクロス、ナフキンもキャンドル型に折ってプログラムも物語に即して構成しました。
ここに和装が1点でも入ったら、シンデレラの世界観は別なものになっていたでしょう。
お涙頂戴とは無縁の大人の披露宴
「結婚式をしたくない」という人の中には、定番のお涙頂戴的な演出がイヤ!という人も多くいます。
その問題も、お色直しをしないことで解決できるケースが多いのです。
お色直しの回数が多くなると、どうしてもプログラムはテンプレート的になってしまいます。
一方、お色直しをしない披露宴はテンプレートを一掃してのプランニングになります。
イメージとしては、披露宴というよりもウェディングレセプション。
感謝の気持ちを「見せる」のではなく「伝える」大人の披露宴が叶います。
お色直しはしたくない!でも衣装はいっぱい着たい!
とはいっても、結婚はさまざまなお衣装を着られる一生に一度のチャンスでもあります。
この機会を逃さず花嫁衣裳を楽しみ、かつお色直しをしないということは可能なのでしょうか?
お気に入りの衣装は前撮りで残せる
お気に入りのお衣装が複数ある場合は、前撮りで撮影してもらうのもひとつの手。
特に当日、ドレスのみという場合は、和装について親御様にも相談しましょう。
親御様の心情として、写真だけでも和装の花嫁姿を残してほしいと考えていることもあります。
挙式と披露宴の間にチェンジ
当日に2点着たい場合は、挙式と披露宴の間にお色直しをしてしまいましょう。
お色直しをすることで、自分自身も気持ちの切り替えができます。
この際に「ゲストのお出迎えができない」という問題が生じますが、この点については次に良い事例があるのでご紹介します。
当日お衣装3点、お色直しなしも可能!?
「そんなの絶対無理!」と思いますよね。
ですが私、前撮りなし、当日に衣装3点で、お色直しをしない結婚式を担当したことがあります。
それから白無垢へ掛け直し、ゲスト全員が入れる式場で人前式。
挙式が終わったら白無垢の写真撮影。
ゲストがパーティルームへ移動している間にウェディングドレスへチェンジ。
そのままお色直しなしでおひらきまで。
お見送り後にウェディングドレスの写真撮影。
これが、ゲスト全員の目に和洋3点のお衣装を披露しつつ、お色直しなしの披露宴の例です。
少し前半は忙しくなりますが、披露宴が始まってからはゆっくりとゲストとの時間を楽しめますよ。
掛け直しは髪型やメイクのチェンジがなければ5分程度で済む上、場所を選びません。
周囲からの目隠しになるものさえあれば、ブライズルームへ行かずともお色直しが可能。
美容師さんやプランナーさんに相談してみましょう。
運命の一着で、洗練された大人の花嫁を目指しましょう♡
花嫁さまにとっても、ゲストにとってもメリットがいっぱいのお色直しをしない結婚式。
あれもこれもを詰め込まない大人の結婚式を目指している花嫁さまには、しっくりとはまるはずです。
「私にはこれしかない!」そう思える運命の一着を見つけたら、お色直しをしない結婚式を検討してみてはいかがでしょうか?
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