夢に見た結婚式。
「チャペル式」「神前式」「人前式」の選択肢はおなじみですが、、実は近年仏前式がひそかな人気となっています。
人気といっても、チャペル式や人前式、神前式のような「メジャーな」挙式スタイルというわけではなく、和婚に徹底したこだわりを持つ大人花嫁さまから支持を集めている様子。
とはいえ、ネットに情報が飛び交っているわけでもなく、周囲に仏前式をした友達もいない……そんなマイナーとも言える仏前式について、さまざまな場所で挙式をサポートしてきたフリーランスのウェディングプランナーがご説明します。
目次
仏前式とは?結婚式のイメージがわかない!
仏前式とはその名のとおり、お寺の本堂で結婚式を行うスタイルのこと。
そう言われても、お寺の本堂にさえ入ったことがないという方も多いかもしれませんね。
仏前式では、ご本尊の前に新郎新婦が座り、その両サイドに家族と親族・友人などが座って挙式が進んでいきます。
導師が式の中心的僧侶として取り仕切り、他の挙式スタイルよりもやや長い、40分程度の挙式となることが多いでしょう。
イメージがどうしてもわかない!という場合は、一般公開されているお寺に足を運び、本堂の中に入ってみるとわかりやすいですよ。
同じ和婚でも違う、仏前式と神前式の違い
仏前式はいわゆる「和婚」と言われる挙式スタイルの1つ。
ですが、割となじみ深い神前式とは事情が異なります。
どちらも宗教・宗派の教義にのっとって行われますが、そのお話は少し難しくなってしまうので、簡略的に説明しますね。
神前式は一般的に、神社や結婚式場の神殿で行われる、神道の結婚式です。
結婚とは新郎新婦だけでなく、家族と家族の新たな結びつきであるという思想のもとに行われます。
一方、仏前式は新郎の菩提寺やおふたりが希望するお寺、自宅の仏壇前で行われる結婚式で、ふたりの結婚をご先祖様に報告し、めぐり逢いに感謝するという意味合いが強く、仏の前で来世までの結びつきを誓います。
仏教には「一度結婚すると来世まで連れ添う」という教えがあり、その決意を誓う儀式となります。
お衣装は白無垢でなくてもOK
気になる仏前式のお衣装ですが、住職さまに確認したところ「お寺の雰囲気にそぐわない洋装でなければ問題ない」とのことでした。
白無垢でなければならないというわけでもなく、色打掛や引き振袖でもOK。
基本的にはヘアスタイルも洋髪で問題ありません。
朱塗りの華やかな外観、侘・寂が美しい質素な雰囲気など、お寺の空気感はそれぞれ異なります。
結婚式を申し込むお寺の雰囲気に合わせると、より花嫁さまの美しさが際立ちますよ。
仏前式が注目されているのはなぜ?
それではなぜ今、仏前式が注目されているのでしょうか?
一説には「珍しいから」「人と違う結婚式をしたいから」「チャペルに飽きてきたから」とも言われていますが、それだけではない、深い理由があります。
結婚式に「本物」を求める花嫁が今、増えている
「結婚式に対して、あなたは何を求めますか?」と聞かれて、即座に返答できる人は思いのほか少ないと言われています。
それは結婚式自体がイメージで成り立っているものだから。
世の中には、花嫁さまの「憧れ」に訴えるキレイで華やかな式場がたくさんあります。
しかし、挙式の価値はそこではないと考える花嫁さまが増えてきています。
見かけだけではなく、いつも教えを説いている本物の宗教施設で結婚式をしたいと考えた時、コンビニよりも多いと言われるお寺での結婚式は、かなり現実的な選択肢となります。
現代の「女性像」に仏前式が合っている
これは私が実際に、あるお寺の住職さまから聞いたこと。
仏教のある宗派の教えでは「女性には相手を動かす力がある」ということを説いているそうです。
一見相手に従っている女性でも、実際には結婚生活がうまく回るようにコントロールしている。
はるか昔の先人の考えには男尊女卑などはなかったのです。
この考え方には、現代の女性像と通ずるところがありますね。
ご先祖様に結婚の報告を
未曽有の被害をもたらした東日本大震災。
この震災後も、さまざまな天災が続いています。
この事実はもちろん悲しいことではありますが、その経験から「命の尊さ」について考える人が増え、結婚式に対する意識にも変化が見られるようになりました。
「ご先祖様に結婚の報告をしたい」というニーズと仏教の教えがマッチしたことも、仏前式に興味を持つ人が増えた理由の1つだと思われます。
仏前式はどう進んでいく?仏前式の流れをご紹介
ここからは仏前式の流れについて、簡単にご説明します。
- 入堂
- 啓百文朗読
- 念珠の授与
- 司婚の辞
- 焼香
- 誓杯の儀
- 法話
- 退堂
列席者→新郎新婦→僧侶の順で本堂へ入ります
僧侶が仏とご先祖様に向けて、結婚の報告をします
僧侶から新郎新婦へ、数珠が授与されます
新郎新婦が誓いを述べます
新郎新婦が焼香します
新郎新婦→親族の順で、固めの杯を交わします
僧侶から結婚の意味についての法話があります
新郎新婦と列席者が退堂します
これが仏前式の大まかな流れです。
お寺によって異なる点もあるので、挙式の前にお寺へ足を運び、説明を受けておくと安心ですね。
仏前式の近代化で、より親しみやすいスタイルに
この流れを見ると「結婚指輪の交換」がありません。
もともと仏前式では結婚指輪の交換は行われていませんでした。
ですが、時代の変化に伴って、近年では指輪の交換を行うケースも増えてきています。
もし結婚指輪の交換を希望するなら、あらかじめお寺へ申し入れておくことをおすすめします。
指輪の交換をする場合は、和のリングピローを用意しましょう。
もちろんボックスそのままでも問題はありませんが、升やちりめんなどを使用して、リングピローを手作りすると、より思い出深い指輪交換になります。
いただいた念珠は一生もの
仏前式の最大の特徴とも言える「念珠の授与」。
お寺からの結婚祝いとして、僧侶から新郎新婦それぞれに授けられる数珠は、結婚の記念になることはもちろんですが、その後の人生でもずっと使えるもの。
一生もののアイテムとして大切に使っていきましょう。
仏前式はこんなおふたりにおすすめ♡
伝統を大切にしながらも、進化を遂げている仏前式。
仏教の信仰が深い人はもちろんですが、こんなおふたりなら、さらに記憶に残る挙式となるでしょう。
パワースポットが好き
「御朱印ガール」という言葉も生まれるほど、お寺巡りが好きな女性が増えています。
一時のブームかと思いきや、その人気は継続しており、お寺は日本を代表するパワースポットとして注目を集めています。
パワースポットが好き、御朱印集めが好き、神社仏閣巡りが好き!
そんなおふたりにはこの上ない、おすすめの挙式スタイルです。
自分やパートナーが外国人
実は、仏前式を実際に行ったカップルに外国人が含まれている確率はかなり高くなっています。
祖国にいる家族や親族を日本に招き、日本の伝統文化を楽しんでもらいたいという思いがあるのかもしれません。
自分の宗教や信仰に問題がなければ、外国人の仏前式は、本人にとってもゲストにとっても貴重な経験になるでしょう。
新婚旅行と挙式を一緒に叶えたい
日本には世界文化遺産に登録されているお寺もあり、その周辺は観光地としての機能も果たしています。
新婚旅行の日程の中に結婚式を組み入れれば、世界遺産を巡りながら結婚式をすることも可能です。
結婚後の記念日に、挙式をしたお寺に参拝に行き、思い出の地を巡るのもまた、趣がありますね。
仏前式の申し込みはどうすればいいの?
チャペル式や人前式、神殿での挙式と異なり、一般的に仏前式は結婚式場での申し込みではありません。
(一部、紹介という形で承っている結婚式場もあります)
仏前式の申し込みは、以下の方法を検討してみましょう。
お寺に直接申し込む
お寺へ直接コンタクトを取り、申し込む方法です。
メリットは中間業者が入らないため、煩わしさがないことですが、お寺は基本的に結婚式そのものの受け付けのみです。
結婚式を行うためには、お衣装や美容、ゲストの送迎や宿泊、写真やビデオの撮影などの手配も必要になりますが、それらを個別に自分たちで手配することになります。
おふたりの負担が大きくなることがデメリットと言えるでしょう。
仏前式を扱うプロデュース会社に申し込む
仏前式を扱うプロデュース会社に依頼すれば、上記の問題は解消されます。
仏前式に必要な手配はすべて代行してくれるほか、挙式当日のアテンドやコントロールもお任せできるので、おふたりは挙式や写真撮影に集中することができます。
ですが、仏前式を扱うプロデュース会社は決して多くありません。
信頼できるプロデュース会社を探すことが大切です。
京都和婚
ワタベウェディングがプロデュースする、京都 清水寺・高台寺・圓徳院・妙心寺 退蔵院・知恩院での仏前式。
日本の歴史的建造物が景観に溶けこむまち、京都。
ながい歴史とあざやかな四季が織りなす独創的な世界には、訪れるすべての人々の心を魅了する不思議なチカラがあります。最高のロケーションが味わえるこの歴史的な大舞台で、一生に一度しかない、本物の結婚式を。
京都和婚
引用:http://kyoto-wakon.watabe-wedding.co.jp/
都姫婚
空地音ハーモニーがプロデュースする、平泉 中尊寺・毛越寺での仏前式。
世界文化遺産 平泉で『来世までの結びつき』を誓う結婚式とみちのくの旅。
都姫婚
引用:http://www.miyabikon.jp/feature/
知りたい!仏前式の費用はどのくらい?
仏前式では「挙式料」は発生しませんが、「お布施」を収めることになります。
お布施の相場は10万円~20万円です。
仏前式を希望するお客様から「挙式料はいくらですか?」と聞かれることがありますが、実はその質問に対して明確に「〇〇円です」と言うことはできません。
あくまでもお布施なので、いわゆる「お気持ちで」という表現になってしまいます。
ですがおおよその金額もわからないのでは困ってしまいますよね。
なので、お寺によっては明確な料金を提示してくれる場合もあるようです。
仏前式が私たちに与えてくれるもの
お寺が多くの観光客を呼び、ブームを起こし、現代の人々に癒しを与えるようになった今、仏前式の良さが見直されてきています。
また、商業施設とは異なり、いつまでもその場所にお寺が存在するため、何度でも足を運べることも「本物の良さ」と言えるでしょう。
仏前式は何物にも代えがたい経験と、心の拠り所を与えてくれます。
本物にこだわるプレ花嫁さまにおすすめです。
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