結婚式の準備で、何かと気になる子供の存在。
親戚の子、友達の子、兄弟姉妹に子供が生まれていて自分がすでに「おば」になっていたり、既に自分たちの間に子供が誕生していたり……。
結婚式の規模が大きくなればなるほど、子供の数も増えてきて「花束贈呈を2人だけに頼むのって不平等?」なんて悩んではいませんか?
今回はフリーランスのウェディングプランナーが、結婚式における「子供」にまつわる演出のアイディアをご紹介します。
お子様もその親御様も集まったゲストも、みんなが笑顔になれるエンジェルたちの演出はいかがですか?
エンジェルたちは大切なお客様♡
ブライダルでは「子供」のことを「エンジェル」または「エンゼル」と呼ぶケースが多いのですが、それはなぜなのでしょうか?
単純に「英語の方がなんとなくかわいいから」という理由もひとつですが、それ以上に「子供は二人の結婚を祝福する天使である」という意味があります(諸説ありますが、記事の特性上、そのうちの1つをピックアップしています)。
まずはエンジェルたちと結婚式の関係性について見ていきましょう。
欧米の結婚式では子供は欠かせない存在
実は欧米の結婚式では、子供たちは欠かせない存在として認識されており、ふたりの結婚における大切な役割を依頼するケースが多くあります。
日本と比較して、呼ばれる子供の数も多く、さながら小さな保育園のような雰囲気になることも。
大人たちが抱える「ぐずってしまうのでは?」「子供が飽きてしまうかも」という不安は、たくさん集まった子供たち同士を同じテーブルに集めることで解消します。
日本では「保護者の隣に子供の席」という配席をすることが多いのですが、欧米では大人と子供のエリアは分けられることがほとんど。
子供のエリアには、子供たちだけで楽しめる工夫がたくさん!
大人も子供もストレスなく結婚式を楽しむことに重点を置いているのです。
小さなゲストにも最大級の配慮がなされているのが、欧米の結婚式の特徴でもあります。
「子供=エンジェルブーケ」その風潮に大きな変化が!
日本にもこのような考え方が浸透してくるにつれ、子供たちが行う結婚式での役割にも大きな変化が見られるようになりました。
以前は「子供は花束贈呈のために、新郎側・新婦側から1人ずつ呼ぶこと」が慣習となっていましたが、昨今では人数にこだわる人は少なく、子供たちの役割も多様化してきています。
また、子供たちを「よりおしゃれな演出」の立役者として起用するカップルも増えてきており、子供たちが結婚式で果たす役割はとても大きなものに。
「子供を呼ぶからエンジェルブーケをお願いしよう」と決める前に、もうちょっとエンジェルたちにがんばってもらうことを検討してはいかがでしょうか?
エンジェルにお願い♡こんな役割はいかが?
それでは、たくさん集まったエンジェルたちにどのような役割をお願いすればいいのでしょうか?
おすすめは、挙式もしくは披露宴の最初の入場の際に登場してもらうこと。
神聖な挙式の場では、とかく緊張した空気になりやすいのですが、エンジェルたちが登場することでその空気をうまく中和してくれます。
また、1日の中の早い段階で登場してもらうことは「後々に大役が待っている」というプレッシャーから子供を開放することにもつながります。
披露宴が始まったらエンジェルたちにもゆっくりと楽しんでもらう。
その心遣いは、子供の親にとっても嬉しいはずです。
フラッグボーイ&フラッグガール
フラッグボーイとフラッグガールの役割は、挙式の入場前に「新郎新婦 入場のお知らせです」とゲストに宣伝すること。
挙式の一番最初に登場するので、かなり重要な役割です。
しっかりと歩ける子供なら、2人でフラッグを持ってバージンロードを歩いてもいいですし、まだ歩けない子供であってもカートなどに乗せて登場してもらうことが可能です。
使用するフラッグは、とびきりかわいい、ゲストの注意を引くデザインにしたいですね。
アイルランナー
アイルランナーとは、これまでのおふたりの歩みや思い出を、絵や文字を使って自由にまとめた年表のこと。これを入場前にバージンロードに敷いてもらう役割をお子様にお願いすることもできます。
アイルランナーは人がその上を歩くことが前提に作られており、多くの場合はバージンロードの長さに合わせてあるため、重さもかなりのもの。
もしもお子様に敷いてもらうのであれば、配慮と工夫が必要になります。
おすすめはラップ状に巻いたアイルランナーの芯に紐を通し、両サイドから2人に引っ張ってもらう方法。
これなら余計な力を使うことなく、紐を引いて歩くだけできれいにアイルランナーが敷けますよ。
フラワーガール(ボーイ)
フラワーガール(ボーイ)は、花びらをまきながら新郎新婦をエスコートする役割です。
日本でもかなりなじみ深くなっていますね。
この役割は1人で歩けるお子様にお願いするのがベスト。
できればフラワーガールの意味を理解できる4・5歳以上が適任です。
より幼いお子様の場合は、兄弟や他の年上のお子様など、複数人で行ってもらうと安心です。
フラワーガールがまく花びらを自分たちで用意する場合は、事前に会場へその旨を申し出ておきましょう。
会場によっては、人が踏むことで清掃が困難になる・安全性に問題があるなどの理由から、生花が不可である場合があります。
その場合は造花の花びらを使用しましょう。
特にこだわりがない場合は、花びらの準備を会場へ一任するのが安心です。
トレーンベアラー(ベールガール)
トレーンベアラー(ベールガール)は、花嫁さまのドレスの裾やベールを歩きやすいように持ちながら付き添います。
いずれも花嫁さまの入場時に後ろからついていく形になりますが、憧れのウェディングドレスに触れられるとあって、女の子たちから人気のある役割です。
ですがこの役割は、トレーンやベールが引きずるほど長く、介助が必要である場合に限られます。
日本の結婚式では介添えさんがこの役割をなすことが多いのですが、トレーンベアラー(ベールガール)が入ると、より和やかな雰囲気になってゲストの顔もほころぶでしょう。
ここまで紹介してきた役割は緊張感漂う挙式でのものです。
役割はお子様の親御様に依頼することになりますが、「挙式での役割」と聞くと不安に感じてしまう親御様も多いもの。
依頼する際には参考になる動画のURLなどを添えて、当日までにお子様と一緒に見ておいてもらいましょう。
動いている様子を見ることで安心感が生まれますし、当日に行われるリハーサルでもスムーズに理解することができます。
リングボーイ(ガール)
こちらもおなじみのリングボーイ(ガール)ですが、大切な結婚指輪を運ぶとあってかなりの大役。
「本当に落とさずに持って来られるかな」と不安になることもありますよね。
そんなちょっと心もとない(?)お子様の場合は、フラッグボーイと同様、カートなどで登場してもらって、祭壇前に到着した後にスタッフから指輪を受け取り、指輪の交換のお手伝いをしてもらいましょう。
イメージは、プロ野球で交代のピッチャーが登板する時の「あれ」です。
いつも家で遊んでいる乗り物をドレスアップしてもかわいいですね。
エスコートキッズ
ここまでは挙式での役割をご紹介してきましたが、披露宴の一番最初の入場もお子様には適任です。
扉が開いた瞬間に、たくさんのお子様たちに囲まれて入場すれば、挙式の緊張も解けて一気に和やかな雰囲気に。
複数人でわいわい進んでいくのがいいかもしれませんね。
お仕事のあとはこんな「ありがとう」でお礼を
いろいろとがんばってくれたエンジェルたち。
お菓子のお返しもいいけれど、ここはもう一歩だけ工夫して喜んでもらいたいですよね。
お仕事が済んだお子様には、こんな「ありがとう」はいかがですか?
専用スペースで思い通りにお絵描き
会場の一角に、画用紙や色鉛筆、塗り絵の本などをそろえてドローイングスペースを用意すれば、それからの披露宴も飽きることなく楽しんでもらえますよ。
画材は、少し大掛かりになりますが「黒板&チョーク」「アクリル板&ポスターカラー」の組み合わせもおすすめ。
お子様の年齢に合わせて楽しめるよう工夫しましょう。
ちょっと背伸びのおしゃれな引菓子
お仕事を終えて披露宴会場へ入り、自分の席へ向かったら、おいしそうなお菓子が!
お子様にとってはうれしいサプライズですよね。
駄菓子詰め合わせでも悪くはありませんが、ポップコーンやマカロンなど、見た目もかわいいお菓子を用意すると会場のコーディネートともマッチして◎。
「結婚式ならでは」をポイントに選ぶとおしゃれ度もアップしますよ。
新郎新婦からの逆ブーケ
エンジェルブーケの逆バージョンもおすすめです。
披露宴でお色直しへ向かう前に、未来の花嫁と花婿へ、おふたりからのブーケとブートニアをプレゼントし、そのまま一緒に中座、という流れもおもしろいですね。
おふたりからの直々のプレゼントに、エンジェルたちも喜んでくれるでしょう。
かわいいエンジェルの祝福で最高の結婚式を!
実はたくさんあるエンジェルたちの役割。
これなら親交のあるお子様全員を招待しても、不平等なく役割をお願いすることができますね。
私が「エンジェルたちに役割を」とおすすめするのは、その純粋で屈託のない笑顔が、おふたりの未来になんらかのプラスの影響を与えてくれると思うからです。
結婚生活は夢と希望だけで成り立つほど甘いものではありませんが、子供たちの笑顔は新しく夫婦として生きていくおふたりに「初心」を残してくれるはずです。
どうかおふたりの結婚式にも、エンジェルたちからのたくさんの祝福が降り注ぎますよう……☆
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