日本の法律では、役所が婚姻届を受理することで、はじめて夫婦になることができます。
婚姻届の提出は、結婚への最終プロセスでありながら、夢と希望いっぱいのプレ花嫁を悩ませる原因になることも。
ですがそれは「婚姻届は形式的なもの」という概念から来ている憂鬱でもあるのです。
結婚について多くのカップルから相談を受けてきたフリーランスのウェディングプランナーが、婚姻届にまつわるあれこれと書き方を詳しく解説します。
目次
婚姻届を出すのは何のため?
そもそも、婚姻届は何のために出すのでしょうか?
昨今では、婚姻届を提出しない事実婚も認識されつつありますが、それでも尚、婚姻届が持つ威力は大きいままです。
事実婚でも夫婦として生きていくことはできますが、家族としての権利が一部認められない場合もあり、自己責任の範疇が広くなります。
「法的に認められた家族」になるためには、現行では婚姻届を提出するほかありません。
なんだか難しい話になってきましたが……婚姻届は法律で夫婦を守るために提出するものと考えていいでしょう。
婚姻届を出す=「入籍」ではない
なぜ「婚姻届を出す」なんて長く言っているの?
「入籍する」でいいのでは?
と感じている方もいるかもしれません。
ですが、婚姻届を出すことと、入籍はまったく別のものなのです。
現行の日本の法律では、ほとんどの夫婦が「入籍」はしていません。
一般的に「入籍」という表現が当てはまるのは結婚する相手が、独立した戸籍の持ち主だったというケース。
どちらかが進学や就職を機に、親の戸籍を抜けて自分が筆頭者の戸籍を作っていた……ということですね。
このどちらにも当てはまらず、例外もない場合は、入籍とはなりません。
「嫁入り」「婿入り」という表現も慣習で使われていますが、実際は「〇〇家の嫁(婿)」になるわけではありません。
婚姻届が受理された時点で「お互いの配偶者(妻)(夫)になる」のです。
では、入籍しないのなら婚姻届を出す意味はどこにあるのでしょうか?
夫婦ふたりの家族になる♡
婚姻届が受理されると、ふたりとも元の戸籍からは除籍されます。
そして、夫と妻ふたりの戸籍ができ、晴れて家族になります。
子供が生まれれば、その戸籍に子供が入ります。
婚姻届を出すのは、まさに「家族になろうよ」なのです♡
実はこの事実は、結婚式の仕事をしている人でも知らないこともあるくらいなのです。
結婚はとかく「嫁」という言葉がつきまとい、憂鬱に感じるプレ花嫁さんも多いのが現状です。
……ですが、この事実を知ると、少し気が楽になりませんか?
婚姻届を提出することで、大切なパートナーとふたりでイチから家庭を築いていく。
そう思うと、感慨深いものがありますよね。
婚姻届はどうやって入手する?ダウンロードしたい♡
婚姻届の提出は現状ではデジタルでの受付は行っていません。
婚姻届書を入手し、手書きで記入する必要があります。
オーソドックスな用紙は役所で
白地に記入に必要な枠や説明が入っている、婚姻届の王道です。
デザインに特にこだわりがなく、シンプルがいい!という方は、役所に行ってもらってきましょう。
びっくりするほどかわいいデザイン♡こんな婚姻届けもある
実は婚姻届は、役所でもらったものでなくても受理してもらえます。
年々婚姻届のデザインにこだわるカップルが増えています。
婚姻届の無料ダウンロード&販売サイト|婚姻届製作所
おすすめは婚姻届製作所。
婚姻届製作所は婚姻届の無料ダウンロード&販売を行っているサイト。
デザインは500種以上!好みのものを選んでダウンロードすれば、特別な婚姻届を書くことができますね。
注意点は、ダウンロードしたら必ずA3サイズで印刷すること。
家庭用プリンタはA4サイズまでの対応が多いので、データを持って行ってコンビニで印刷してもいいですね。
おしゃれで可愛いデザイン婚姻届が500種以上揃っている婚姻届製作所のサイトはこちら
雑誌の付録も見逃せない♡
ゼクシィなどの結婚情報誌では、不定期でオリジナルの婚姻届を付録にしていることもあります。
以前、ディズニーの婚姻届が付録について大変話題になりました。
結婚式場の情報も得ながら婚姻届も入手できるので、準備もはかどりそう。
婚姻届のデザインをオリジナルにしたら……
婚姻届のデザインをオリジナルにしたら、合わせて絶対こだわりたいのが結婚式のぺーパーアイテム。
招待状をはじめとする印刷物のことですが、ここもオリジナルデザインにしたくありませんか?
手作りにするとオリジナル度もアップする上、節約にもつながりますよ♡
こちらの平安堂ウェディングは、有名メーカーの商品やディズニー商品・イタリア製など多くのペーパーアイテムを取り扱っていますよ♡
ちなみに、サンプル3点まで無料で届けてくれるそうなので、実際の手触りや見た目を確かめられるのが嬉しい。
婚姻届、提出先への必要書類や準備は?
婚姻届を問題なく受理してもらうためにも、必要書類などの確認は大切。
事前に以下の準備をしておきましょう。
婚姻届
まさかの婚姻届けを忘れちゃった!なんてならないように注意!
証人の依頼
婚姻届には2名の証人の記名と押印が必要です。
ふたりの結婚の証人になるのですから、責任を感じる人も少なくありません。
唐突にお願いするのは失礼になることもあります。
信頼できる人にあらかじめお願いしておくと安心ですね。
(ちなみに、この2名の証人のことを「保証人」だと捉える方も少なくありませんが……実は違います。)
戸籍謄本/戸籍抄本
届けを出す役所が、自分の本籍地の役所と異なる場合は、「戸籍謄本(もしくは抄本)」が必要になります。
即日発行してもらえますが、住んでいる場所と本籍地が離れている場合は、早めに用意した方がいいでしょう。
もし、おふたりが本籍地と同じ場所に婚姻届を提出する場合は「戸籍謄本(もしくは抄本)」は必要ありません。
ただし、彼とあなたのどちらか、あるいはどちらもが本籍ではない場合は「戸籍謄本(もしくは抄本)」を取り寄せる必要があります。
ちなみに、「戸籍謄本」と「戸籍抄本」は違うもの。
多くの市町村役所では、婚姻届は「戸籍抄本」ではなく「戸籍謄本」を必要書類としています。
念のため、婚姻届を提出する役所に事前に電話などで確認すると安心♡
印鑑
婚姻届には印鑑を押印する必要があります。
ずっと使っていた印鑑でも問題はありませんが、結婚を機に新調してみるのはいかがでしょうか。
「婚姻届の印鑑は旧姓のものでしょ?」と思うかもしれませんが、生涯にわたり使える印鑑を作るなら、下の名前の印鑑がおすすめ。
名前の印鑑は、さまざまな手続きで何かと便利ですよ。
本人確認書類
マイナンバーカードや運転免許書、パスポートなどが挙げられます。
続いて知りたい書き方!婚姻届の記入方法は?
お気に入りの婚姻届を用意したら、さっそく記入していきましょう。
張り切ってペンを用意したものの、何やら難しい用語のオンパレード。
それでも、ひとつひとつの項目を理解していけば、難しいことはありません。
届出日は365日いつでもOK
提出先である役所は基本的に祝祭日はお休みですが、婚姻届は365日24時間受け付けています。
開庁時間外は警備員さんなどが受け付けてくれるので、おふたりで相談して決めましょう。
何も問題がなければその日から夫婦となります。
氏名は正しく、字体訂正はこの時に
次はそれぞれの氏名を記入しましょう。
「氏」の欄には、婚姻前の姓を記入します。
戸籍が旧字体の場合は、そのまま記入しますが、申し出ることで新字体に訂正することも可能です。
旧字体の使用に不便を感じている場合は、検討してみましょう。
住所は今の住民票で
住所の記入には注意が必要です。
結婚前から一緒に住んでいるという場合でも、住民票を確認しましょう。
婚姻届はあくまでも婚姻のためのものであり、住所変更はまた別の手続きになります。
結婚を機に住所を同じにする場合は、住民票異動の手続きを忘れずに行いましょう。
住所変更届を同時に提出する場合や、すでに同じ住所になっている場合は、妻の住所欄には「夫と同じ」と記入します。
住所には「丁目」「番」「番地」「地割」など、普段意識していない地番や枝番があります。
住民票を用意してそのまま書き写すと安心です。
本籍も現在のものを
続いて本籍を記入していきますが、本籍は住所とは異なる場合もあります。
そして生まれた家の住所とも限りません。
筆頭者も、自分の父親や母親でない場合もあります。
心配であれば、戸籍を取り寄せて写した方がいいでしょう。
父母の氏名 親が離婚・再婚の場合は要注意
ここで記入する氏名は実の父母のものです。
たとえば母親が離婚し、新しい男性と結婚したことで、その男性を父親だと言っていても、ここに記入するのは結婚する本人を法的に子供だと認めた親の名前です。
また、両親が離婚している場合は、父・母どちらの欄にも現在の姓と名を記入します。
続き柄は、長男・長女以外は漢数字で記入します。次女の場合も「二女」と記入しましょう。
夫婦の氏はどちらでもOK!本籍も選べる?
先ほど記述したとおり、現在は相手の姓になることで「嫁入り」「婿入り」となることはありません。
基本的にはどちらを選んでもOKです。
ですが、筆頭者は選んだ氏の方になります。
夫を筆頭者としたい場合は、夫の氏で統一することになります。
本籍は、必ずしもふたりの新居でなくても構いません。
中には出会った場所や、思い出の地を本籍にするカップルも♡
条件は日本土地台帳の記載地であること。
ただ、結婚後に戸籍謄(抄)本が必要になった時は、その地の役所に出向く必要があるのでそこは頭に入れておいて。
届出人署名押印は別の印鑑で
それぞれ旧姓で、異なる印鑑を使用します。
使用する印鑑は実印でなくてもかまいませんが、シャチハタはNGです。
証人は誰にする?
お互いの親に記入してもらう人が多いようですが、20歳以上であれば誰でも問題ありません。
おふたりを引き合わせてくれた人や、お互いの兄弟、仕事関係の人でもOKです。
もしも夫婦で証人になってもらうときは、別々の印鑑を押印してもらいましょう。
婚姻届の記入には細かいルールもあり、自分では正しく記入しているつもりでも、実は間違っていたということもあります。
例えば、「職業欄は国勢調査のない年には、空欄のまま提出してOK」など、素人はなかなか知らないようなルールもちらほら。
希望する日に受理してもらえないという最悪の事態を防ぐためにも、記入したら一度、役所の窓口に持って行き、チェックしてもらいましょう。
もしも記入した内容に誤りがあれば、その場で教えてくれます。
その時のために、記入前に婚姻届をコピーして、下書きをすると安心です。
婚姻届、これで大丈夫?
特別の事情がない限り、婚姻届の記入に慣れることはありません。
だからこそ、いざ提出となると疑問も出てきますよね。
「本当にこれで大丈夫?」という疑問にお答えします。
一人で提出に行っても受理される?
役所はひとりで行ってもしっかりと受理してくれます。
ふたりで行けたら理想的ですが、それはあくまでもこちらの心情的な話。
実際、私もひとりで土曜日の閉庁日に行きましたが、優しい警備員さんが「おめでとうございます」と言ってくれましたよ!(笑)
代理人が行っても問題ない?
どうしてもこの日に結婚したい。
けれど、その日はふたりとも事情があって届け出に行けない。
そんな時は代理人に届けてもらうという方法もあります。
ですが、もし記入した内容に誤りがあっても、代理人は訂正ができません。
その場合は、その日の受理が不可になることもあります。
代理人にお願いする場合は、内容に問題がないか事前に役所で確認してもらいましょう。
婚姻届受理証明書はいつもらえるの?
婚姻届受理証明書とは、“おふたりの婚姻届”を“受理した”ということを“証明”するもの。
これは自動的に送られてくるものではなく、窓口で申請して初めて交付されるもの。
婚姻届の提出と同時に取得することができるので、役所の業務時間内に婚姻届を提出し「婚姻届受理証明書も欲しいのですが……」と伝えると、案内してもらえます。当日中に取得できることもあります。
念のため、この婚姻届受理証明書も取得しておいて損はないかも?
ハネムーンのパスポートは旧姓でいいの?
結婚式当日に婚姻届を提出し、結婚式後すぐにハネムーンへ出発するというお客様から、よく聞かれる質問です。
結論としては「旧姓でいい」というよりも「旧姓で行かざるを得ない」ことになります。
パスポートは身分証明書の役割も果たすため、本来であれば旧姓でいいわけではありません。
ですが現実的には、新しい戸籍はすぐにできるわけではなく、パスポートの発行にも時間を要します。
これを待っていたのでは、挙式後すぐのハネムーンは叶いません。
旧姓のままで出発となってしまうのは仕方がないと思っていいでしょう。
「行くときは姓が変わっているから」と、航空券を結婚後の姓で申し込むと、飛行機に乗れないので注意が必要です。
帰国後はすぐにパスポートの変更をお忘れなく。
海外挙式は事情が違う!?
日本では結婚式当日に婚姻届を提出することも珍しくありませんが、海外挙式の場合は少し勝手が違います。
まずは式を行う教会に、どうすべきか確認しましょう。
教会によっては婚姻の事実が確認できる証明が必要になることもありますし、法的効力のある挙式の場合は、挙式の時点でお互いが未婚でなければいけません。
前者の場合は新しい戸籍が作られるまでは日数がかかることを考慮して婚姻届を提出しましょう。
後者の場合は、事前に婚姻届を提出すると結婚式をすることができなくなってしまいます。
いずれにしても、海外挙式は日本のチャペル式とは事情が違うことを忘れてはいけません。
希望する式場がこの形態をとっている場合は、既に婚姻関係にある夫婦の挙式はできません。
海外挙式は婚姻届を出すタイミングがとても重要になります。
プロポーズされた段階から、スケジュールをしっかりと組みましょう。
婚姻届を提出したら新たな人生の始まりです♡
「紙切れ一枚」などとも言われる婚姻届ですが、おふたりが新たな家庭を築くために必要なプロセスであることはお分かりいただけましたでしょうか。
婚姻届を提出し、役所を出る時の晴れやかな気持ちは、何物にも代えがたいものがあります。
結婚は新たな人生の始まり。
ふたりで幸せな未来を描きましょう♡
婚姻届を出したらまずはデートがてらにブライダルフェアに行くのが賢明!お得に結婚式を挙げたいなら絶対にブライダルフェア♡
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