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おふたりのために多くのゲストが集まり、祝福してくれる結婚式。
披露宴最後のフィナーレを飾る新郎謝辞は、新郎にとって”最初で最後の見せ場”。
新郎謝辞を通じて、花嫁はもちろん、ご友人やご親族、多くのゲストが新郎の”本番力”を見極めようと、じっと耳を傾けています。
今回はそんな中で、あえて”失敗をしない謝辞”ではなく、”感動を生み、ゲストの記憶に残る”ことをゴールに、外せない5つの重要なポイントをお届けします。
目次
(1)一文字一句丸暗記せずに、”ストーリー”として記憶する
結婚式当日はゲストの注目を一身に浴び、極度の緊張の中で謝辞を読まなければなりません。今から考えるだけで気が遠くなる人もいるのでは?
そんな緊張状態のなかで原稿を丸暗記し、万が一本番中に覚えたはずの内容を少しでも忘れてしまったとき、経験の浅い方だと頭が真っ白になってしまう人もいます。
そこで、謝辞のストーリーの全体像を掴み、イメージとして記憶することをお勧めします。幸い新郎謝辞にはあらかじめ決まった”型”があり、その型に沿ってスピーチを組み立てることができます。
1:冒頭あいさつ(ゲストへのお礼)
まずは冒頭のあいさつ文から。出だしはお越しいただいたゲストへの感謝の気持ちを伝えましょう。
一般的な冒頭あいさつの例文
本日はおいそがしい中、私たちふたりのためにお集まりいただきましてありがとうございます。
今日は僕たち二人の結婚披露宴にご出席いただきましてありがとうございます。
たくさんのお祝いの言葉、本当に感謝申し上げます。
悪天候だった場合に使える例文
本日はお足元の悪い中、私たちの新たな門出の宴にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。
思いがけない大自然の洗礼を全身で感じつつ、無事に夫婦の誓いを交わすことができました。
2:祝福へのお礼
続いてゲストから頂いたお祝いの言葉/気持ちについて、しっかりとお礼の気持ちを伝えましょう。
祝福へのお礼の例文
この結婚披露宴では、みなさまより心のこもった励ましやお祝いのお言葉を頂戴いたしまして、誠に感謝申し上げます。
皆様からの心温まる祝辞や、励ましの言葉を頂いて、感謝の気持ちで一杯です。そして、余興ではこの場を盛り上げて頂いた会社の皆には本当に感謝してます。楽しかったです。ありがとう。
3:現在の心情
次に現在の心情を。このパートはあなたの個性やお二人の状況などに応じて様々なパターンが考えられます。ネットの例文などは参考程度に留め、なるべくご自身の言葉で、素直に感じていることを伝えましょう。ここだけはアドリブで、というのもありかもしれませんね。
現在の心情の例文
入籍から半年以上経ちますが、正直夫婦になったという実感はあまりなかったですが、今日こうして皆さまの前で式を挙げることができ、夫婦になったんだなと、今さらながら実感しております。
出典新郎の謝辞について添削ねがいます。以下の謝辞を、自分の言葉で… – Yahoo!知恵袋
4:今後の指導のお願い
こちらはある程度同じような文章になってしまうと思います。結婚式で初めて「ご指導ご鞭撻(ごしどうごべんたつ)」と発声する方も多く、言い慣れない言葉かと思いますので、注意を払いましょう。
今後のご指導のお願いの例文
どうかこんな私たち二人に末永くご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
まだ未熟な私たちですので、これからも皆さまにはたくさんご迷惑をお掛けすることがあるかもしれませんが、その時はよろしくご指導ご鞭撻くださいますよう、心からお願い申し上げます。
5:結びの言葉
結婚式には「忌み言葉」という、おめでたい席では使うのを避けたほうが良い言葉があります。”最後”という言葉は「忌み言葉」にあたるので、最後の言葉ではなく、”結びの言葉”。
今日一日、これだけ多くの方々に、優しい目で見守って頂き、温かい祝福を頂きましたことに改めて感謝を申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
皆様のご健康と、ますますのご繁栄を心からお祈りいたしまして、はなはだ僭越ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
以上が新郎謝辞の大まかな流れです。今回のTipsでお勧めする方法は例文を丸暗記するのではなく、ストーリーとして記憶すること。
まずはゲストに「来てくれたこと」にお礼をし、「祝福してくれたこと」に感謝をする。そして、現在の心境と今後の決意を述べ、皆様への支援をお願いしてから最後に両家の代表としてしっかりと結びの言葉でしめる。冒頭挨拶は「出席・お祝いの言葉・感謝」、祝福へのお礼は「祝辞や、励まし・余興」など、ブロックごとにキーワードを設定するとより覚えやすくなります。
また、印象に残るスピーチにするために、「カンペを読む」ことは避けましょう。
どれだけ優れた原稿であっても、棒読みになったとたん、聴衆の関心は薄れます。ストーリーとしてしっかり記憶する。けれど、決して読まない。これが大切なポイントです。
(2)ゲストが静かになるのを待ってから、静かに話し始める
会場が騒がしいときは無理に大声を張り上げて話し始めるのではなく、マイクの前でお辞儀をしたあと、少し黙って待ちます。すると始めは少しざわついている会場も次第に静かになり、ゲストがあなたに注目をするように。
そして、静かに話し始めてください。人間の耳はうるさい声を避け、静かな声に聞き入るそうです。導入は静かに入りましょう。また、緊張すると早口になりがちなので、導入部分は意識して普段よりもゆっくり話すように心がけましょう。
(3)しっかりと前を向き、左右を向いて会場全体を見渡しながら語りかける
しっかりと前を向き、ゲストひとりひとりの顔を見ながら話すと堂々とした印象になり、ゲストは安心して耳を傾けることができます。足は外側に向けて少し開くと良いでしょう。
そして、会場の雰囲気に慣れて落ち着いてきたら会場全体を見渡すようにゆっくりとS字に視線を動かすこと。これにより落ち着いた印象を与えることができます。
また、話が苦手は人はどうしても視線が上に泳ぎがちに。視線は水平よりもやや低めにするように心がけると聞き手と目を合わせやすくなり、落ち着いて見えるようになります。
(4)言葉はゆっくり、声は腹から出すこと
同じ言葉でも 声のトーンによって聞き手の印象は変わってきます。明るい表情ではっきり話すように心がけましょう。また、話し方のポイントとして下記の3つも抑えておきましょう。
はきはきと話す
口を大きく開け、一言一言を語尾まではっきりと発音しましょう。
間をとって話す
段落の切れ目や句読点、強調したい内容の前に「間」をとって一呼吸おくと、スピーチにメリハリが出ます
抑揚をつけて話す
一本調子のリズムは内容が分かりづらく退屈になります。ブロックごとに声に抑揚をつけると聞き取りやすくなり、心に響くスピーチになります。
(5)徐々に盛り上げ、感動的に締めくくること
優れたスピーチというのは、上質なミュージカルやオーケストラ、映画のようなものです。まず導入部分で聞き手の注意を引き、段階を追って展開され、力強く終わります。
特に最後に述べる言葉ほど記憶に残るものはありません。
導入部分でゆっくり静かに話しはじめ、列席者の注目を引き寄せたあとは、徐々に気持ちを込めながら声に力を込めていき、最後は情熱的に締めくくりましょう。
最後に
新郎の謝辞は何よりも感謝の気持ちを伝えることが大切。
結婚式前日までに文章を考えて暗記することは、心を落ち着かせるために大事なこと。
ただし、あなたが「感動を生み、ゲストの記憶に残る新郎謝辞」を目指すのであれば、視線や表情、声の質やテンポのほうがはるかに大切です。
なぜなら、人間は身振りや声質、テンポなどの言葉以外の要素で印象の93%が影響されるから。
心理学者のアルバート・メラビアン博士は、話し手が聞き手に与える影響がどのような要素で形成されるか測定し、その結果、話し手の印象を決めるのは「言葉以外の非言語的な要素で93%の印象が決まってしまう」ということがわかりました。
視覚情報 (Visual) – 見た目・身だしなみ・しぐさ・表情・視線 …55%
聴覚情報 (Vocal) – 声の質(高低)・速さ・大きさ・テンポ …38%
言語情報 (Verbal) – 話す言葉そのものの意味 …7%
たとえば同じ「ありがとうございます」という言葉を伝えたとしても、小さな声でそわそわしながらでは想いは伝わりません。堂々と落ち着いて、心を込めて伝えることではじめて、本当の想いが伝わるのです。あなたの素直な感謝の気持ちが伝わり、ゲストに参列して良かったな、と思っていただける結婚式になるといいですね!
以上、新郎謝辞で感動を生み、ゲストの記憶に残るスピーチをするために必要な5つの大切なポイントをご紹介させていただきました。
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